ゆるゆるバックパッカー

どうもこんにちは。やらない善よりやる偽善、観光地よりも人々の暮らし、もの買うよりも経験することを選びがちな独身男です。ぼちぼちやってます。

「限界国家」を読んだ感想

ここ1年読んだ中で一番面白かった本である『限界国家』について感想を書きたい。 小説自体はフィクションだが、事実に基づくデータを使用しているだけに専門家が執筆した岩波文庫を読んでいるみたいだった。

本の内容は、コンサルタントが「20年、30年先の日本がどうなるかを調査してほしい」という依頼を受けて、 官僚やベンチャー企業の社長などに日本の現状や将来についてヒアリングを行うといったもの。 このヒアリング内容が既得権益の裏事情を淡々と物語っており非常に刺激的な内容であった。

なかでも、言い得て妙だったのが、

技術が進歩すると仕事にありつける人の絶対数が減る→少子化になるのが自然

という主張。確かに、昔は労働力を確保するために子供をたくさんこしらえていたと聞く。 が、今はどうか。自動運転や農業などあらゆる分野で自動化または効率化が押し進められ、現在進行形で仕事のポストが減っている。 また、技術が進歩するということは、仕事内容が高度になる→高等教育が必要→教育費がかさむ→子供1人で十分、だということも書かれていた。

また、

高齢者がレガシーを残すために若者が犠牲になっている

ということに関して。 今もなお、プーチン (71歳、執筆時点) が自身の偉業を残したいがために戦線に若者を兵士として送り込んでいる。 日本でも同じで、東京オリンピックやら大阪万博やらで何か爪痕残したい政治家が巨額の予算を投じている。 人口が多いことはそれすなわち国力になり、国家元首の野望を増長させかねない。その点で、少子化はよいことなのでは? 現に、特殊出生率は中国は1.0、韓国は0.7、日本は1.3順調にいけば3カ国とも人口が減り国同士手を取り合う必要がある。

本では、終始暗い話が書かれていたが、読み終わった後なんだか清々しい気分だった。 メディアで毎日のように目に見る少子化問題。だが、少子化自体は自然なものでどうこうできる問題ではないし、どこかみなNot In My Backyard として捉えている。じゃ、もう少子化前提で今後の未来を考えようじゃないか。withコロナみたいに。 歴史の中で証明されている。慣習や文化や国や言語はいずれ消滅する。遅かれ早かれ。 日本という枠組みで考えるから人口が減少しているだけで、世界でみれば人口は増えている。

これからは日本人でなく世界人になろう!!

という締めくくりで終わろうかな 笑